【上級ジャムスタンダード】 donna lee ドナリー
毎回ジャンルを超えたセッションスタンダード曲をオススメするこのブログ。
今回はジャズセッションでは定番の、
でもプレイするのはかなり難しい「ドナリー」を取り上げます。
まずこの曲は作曲の時点で複雑な因縁があり、
かのジャズの帝王であり
トランペット奏者のマイルスデイビスが作曲したと言い張っているのですが、
実際は当時のマイルスが所属していたバンドのマスターである
アルトサックス奏者のチャーリーパーカー名義になっています。
マイルスが作ったのに、そのクレジットをピンはねされた!
という具合になっているのですが、話の真相は定かではありません。
さて、そんな複雑な生み出され方をしたこの曲、
実際にテーマメロディを演奏してみるとわかりますが、
これ自体もかなり複雑!
セッション的特徴をなるべく複雑にならないようにまとめてみると
1 とにかくテーマのメロディが複雑!
このメロディ自体がコード進行を表現するような複雑な手法で作られていて、
テーマと言うよりアドリブのメロディの様な感じ。
2 コード進行はジャズでよくある型のオンパレード。
基本を学ぶにはいい感じです。
3 ただし、かなり速いテンポで演奏されることが多い!
コード進行はジャズの中では普通の難易度だが、
速いテンポと複雑なテーマが上級スタンダードに選考された最大の理由です!
と言った感じで、
とにかくテーマをプレイするのが難しい!
いわゆるビバップというジャズのアドリブの手法で、
単音のメロディだけでコード進行を表現しようとしています。
なので、音が激しく上下したり、リズムがかなり詰め込まれていたりと、
このテーマを覚えるだけでも一苦労。
さらに、かなり速いテンポで演奏される傾向があり、
このドナリーをどれだけ早く演奏できるか?
で、どれだけその人にテクニックがあるか見極めていた時代もあったそうです。
逆に、コード進行はジャズ的進行のオンパレードなので、
慣れればそんなに難易度は高くないです。
これだけが救い。(笑)
なんにせよ、プレイするのは難しいが、
できたらかなりカッコ良い上級スタンダードの名曲!
様々なバージョンがありますが、
ベーシストのジャコパストリアスのものや、
やはりチャーリーパーカーのものが有名です。
是非レパートリーに入れられるようにチャレンジしてみてくださいね。