【上級ジャムスタンダード】 giant steps ジャイアントステップス
毎回、ジャンルフリーで様々なセッションスタンダードをオススメするこのブログ。
今回はジャズの超難曲の一つ、
ジョンコルトレーン作曲による「ジャイアントステップス」を解説します!
一見普通に綺麗な曲ですが、
演奏者にとってはこんなに地獄な曲もそうそうない。
出てくるサウンドとは裏腹に、
ソリスト泣かせな、まさに上級スタンダード!
なぜこの曲がそんなに難曲なのか!?
ちょっと特徴をまとめてみましょう。
1 何よりも、予想外の転調をコロコロ繰り返す難解なコード進行!
別名コルトレーンチェンジとも異名をとるこの進行に沿って、
アドリブをするのはかなりの訓練が必要です。
かつ、かなりの激しい転調なので、100%スケール一発で乗り切ることは不可能。
初心者には、全然ごまかしのきかない、まさに難曲です。
2 激しい転調コード進行に追い打ちをかけるように、テンポもかなり速い!
転調に対応するだけでも大変なのに、原曲のテンポはかなり早めです。
テクニックはもちろん、素早いテンポでの転調に対応する
頭の中の処理能力が、高いレベルで要求されます。
3 楽なのはドラマーだけ。(笑)
激しい転調の影響を受けずに、割と自由にプレイできるのはドラマーのみ。
ドラマーにとっては、ただのちょっと早い4ビートの曲なので、
力まずに、周りをサポートするイメージで演奏することが求められるでしょう。
と言った感じで、
ドラマー以外には優しくなさすぎる難曲なのでした。
実際、コルトレーンの原盤に入っている
ピアニストは、あまりに予想外で激しい転調コード進行のため
アドリブが途中で止まってしまっています。
超一流のジャズピアニストも、
初見ではほとんど対応できなかった!という、
難曲を象徴するようなエピソードです。
でも、この曲がそつなく演奏できたら、
あなたのハーモニー感覚、メロディ感覚、リズム感覚、
等々、総合的にセッションに必要な能力が鍛えられてきた証拠。
一つの試金石として、
是非この難曲にもチャレンジしてみてくださいね。