【中級ソウルスタンダード】I’ll be there アイルビーゼア
毎回ジャンルを超えたスタンダードナンバーを取り上げ、
セッション的視点でご紹介しているこのブログ。
今回はソウル/R&Bの名曲の中でも、
珠玉のバラードナンバーとしてスタンダード化している
I’ll be thereを題材にいたします!
きっとメロディを聞けば、
多くの人が「聞いたことある!」と感じるであろう位、
テレビ、ラジオはもちろん、様々なところでプレイされているこの曲。
原曲は、幼少時代のマイケルジャクソンが在籍していた
「ジャクソン5」での演奏です。
もちろんこの原曲の、
透き通るような少年の声のマイケルによるテイクも有名ですが、
その他にマライアキャリーによるカバーテイクも有名。
有名どころはこの辺りですが、やはり様々なプレイヤーに、様々なアレンジで
カバーされまくっているスタンダード中のスタンダードバラードチューンです!
そんなI’ll be thereをセッション的視点で解説すると、
1 AABA形式のスタンダードな構成。
ただしBメロは転調しているのでソロを取る時は要注意。
2 まさにソウルバラードの王道のようなテンポとグルーヴが最大の特徴!
このゆったりとしたノリに大きくノッてアドリブをするのが肝要です。
3 長いアドリブソロは厳禁で!
テンポが遅くかつAABA形式で1コーラスの長さもあるので、
ソロを取る人はコーラスの半分で交代するなど、長さに工夫が必要です。
といったバラードナンバーに必須の特徴が目白押しです。
まず、基本的な構成はAABAでまさにスタンダードなのですが、
Bの部分が転調しているので、要注意。
この転調さえクリアできれば、コード的な難易度はそんなに高くありません。
でも、この曲をセッションする場合、
意外と気づきにくいけど、一番大事なポイントが一つあります!
それは、「ソロの長さ」
バラードなので、テンポがゆっくり。
そのゆっくりなテンポで1コーラス回すと、
よっぽどアドリブソロに起伏と展開があって、
聞いている人の耳を惹きつけて離さないようなストーリー展開じゃないと、
長すぎてダラダラなサウンドになりがちです。
そこで、よくあるのは
「コーラスの半分でソリストを交代してしまう!」
というバラードセッションでは意外とお決まりのルールの適用です。
AABAの前半AA部分を誰かがアドリブする。
普通は一人が1コーラス全部ソロを取るところを、
この曲では後半のBA部分を次の人に回してしまう!
こんな工夫によって、
ダラダラ長すぎるアドリブをしてしまうリスクを減らしていきます。
バラードでは、
暗黙の了解でこのソロ交代が行われることも多いので、
是非I’ll be thereを通して、このルールにも慣れておきましょう。
というわけで、
珠玉のソウルバラードナンバーもあなたのレパートリーにいれて、
セッション全体の展開をグッと良くしてみてくださいね!