【中級ロックスタンダード】desperado デスぺラード

毎回様々なジャンルからセッションのスタンダードナンバーをご紹介しているこのブログ。

今回はロック/ポップスの超代表的バラードナンバー

イーグルスの「デスぺラード」を取り上げます!

これこそ、数え切れないプレイヤーたちにカバーされ続け、
そして今でも名スタンダードとしてプレイされ続けている曲の一つです。

日本だと平井堅さんやシングライクトーキングの佐藤竹善さんのカバーが
特に有名でしょうか?

なんにせよ、原曲の美味しいところを
しっかり残したアレンジでどの人もカバーしたがるのが、
この曲でセッションする際の隠れた特徴であり、
曲の良さ、強さの証明でもあるでしょう!


そんな「デスぺラード」をセッション的視点から特徴をまとめると

1 もちろんリズムはバラード!
  ドラムレスやギター一本、ピアノ一本の弾き語りで編成されることも多いが、
  いづれにせよ、リズムよりハーモニーを全面に出したゆったりとしたグルーヴが肝。

2 構成はAB形式。
  原曲はABを2回繰り返してエンディングに入って終わり。
  セッションでは間にアドリブソロが入ります。

という訳で、アレンジや構成は男気を感じるシンプルバラードそのもの。
ピアノのイントロで始まることが多いですが、
もちろんギターがこの役目を負うこともあるので、
ギタリストもイントロを覚えておいた方がいいでしょう。

また、リズムはシンプルな8ビートのバラードなのですが、
意外とリズムを全面に出すアレンジが少ないのも特徴です。

ドラマーはブラシを使ったり、叩かなかったりと、
「静」のグルーヴを工夫する人が多いです。

なんにせよ、歌と歌詞を一番に聞かせ、
そのバックにそこはかとなくハーモニーが聞こえる…、
そんな大人なアレンジで楽器の会話をするために在るようなこの曲。

是非、参考にしていただいて、セッション全体に起伏を付けてみてくださいね。


【ポップススタンダード】New York State of Mind ニューヨークステートオブマインド

毎回ジャンルを超えたセッションのスタンダード曲をおススメしているこのブログ。

今回はビリージョエルの往年の名バラード「New York State of Mind」を取り上げます!

この曲ピアノの美しい伴奏はもとより、
ビリージョエルが当時ハリウッドで売れないピアノマンをやっていた時に、
「故郷ニューヨークを郷愁の思いで作った」という、
なんともいえない風情の込められた名曲です。

郷愁というのは、性別、国籍、民族、その他いろいろなものと飛び越えて、
人間ならばだれでも持つことのできる思いなので、
世界的にヒットしたのかもしれません。

そんな強力かつ、哀愁のあるメロディは、
もちろんリスナーだけではなく、プレイヤーの間でも、
すでにスタンダードとして確立され、残り続けています。

そんなNew York State of Mindをセッション的視点から特徴をまとめると、

1 もちろんリズムはゆったりとしたバラード調の8ビート。
  拍を大きくとって自然にゆったりと演奏するのがしっくりくる曲です。

2 AABA形式ですが、B部分で転調が出てきます。
  バラードで転調を間違えると、早いテンポの曲よりも
確実に間違いなく調子っぱずれになるので要注意。

3 イントロ、アウトロ、そしてAメロの最後には、簡単なキメがあります!
  このキメもNew York State of Mindの隠れた特徴となっているので、
  しっかり覚えておくことが重要です。

という風に、
バラードの王道的アレンジでありながら、
よく見ると、ところどころに少しづつヒネリを利かせたアレンジが
ちりばめられています。

コード進行も、難しくはありませんが、
転調や微妙な小節数の変化など、まさに「歌に合わせて」
絶妙なアレンジが施されています。

メロディ自体が素晴らしく立っている曲なので、
サックスやギターなど、歌以外のリード楽器でも、
よくインストとしてセッションでは取り上げられます。

なんにせよ、歌メロディを中心にして、
そこに込められた哀愁をしっかりメンバーで共有しつつ、
しっとりと、でも熱くアドリブできたら、最高の一曲です!


是非、バラードの王道として、
あなたのレパートリーに入れてみてくださいね。


【中級ブルーススタンダード】Hoochie Coochie Man フーチークーチーマン

毎回ジャンルを超えたセッション的スタンダードナンバーをご紹介しているこのブログ。

今回はブルースの世界ではスタンダード中のスタンダードナンバー!
Hoochie Coochie Man」をご紹介します。

ブルース会の巨人マディウォーターズが初演し、
そしてそのバージョンが一番有名です。

が、もともとはウィリーディクソンという人の作曲による曲。
マディを筆頭に、エリッククラプトンなど、
それこそ星の数ほどのプレイヤーたちにカバーされ続けてきた
ブルースの金字塔です!

そんなディスクレビュー的な解説は置いておいて、
セッション的視点から、この曲の特徴をまとめると、

1 お決まりのリフからスタート!
  そしてこのリフは一曲通してずっと断続的に出てくるので要チェック。

2 リフの部分が長めにとられていますが、
  あとは基本のブルース進行と同じ。

3 リズムはいわゆるシカゴブルース御用達の
  重いシャッフルでご機嫌なグルーヴでプレイされることが多いです。

とまぁ、ブルースのドロドロしていて、
おいしいところを全て兼ね備えたような構成です。

特筆すべきは、やはりブルージィな「リフ」の部分でしょう!
このリフをバンド全体でユニゾンし、
間にコール&レスポンス形式で歌が入っていく。

ブルースの基本をこれでもか!と押えたアレンジです。

また、このリフは基本的に初めのコードの上で展開されるのですが、
普通のブルース信仰よりも、この部分が長めになっています。
(リフを沢山聞かせるためだと思います。)

ソロにはいったら普通の12小節のブルース進行でアドリブするのですが、
テーマの時は、このリフの部分が長くなっているので、注意が必要です。

また、リズムはリフのユニゾン的キメ以外は
これぞシカゴブルース!といった感じの重くてイナタイシャッフルです。

このグルーヴをしっかりバンド全体で共有できれば、
リフからリズムパターンに移った時に
最高の快感を感じられると思います!


というわけで、ブルースのおいしいとこ取りの名曲Hoochie Coochie Man!
是非レパートリーに入れて、渋くて熱いセッションを展開してみてくださいね。


【中級ジャズスタンダード】on the sunny side of the street 明るい表通りで

毎回様々なジャンルのスタンダードナンバーを
セッション的視点からご紹介しているこのブログ。

今回はジャズの往年のスタンダード曲である
「on the sunny side of the street」をお送りします!

1930年に生まれたこの曲、
当時のアメリカは大恐慌の真っただ中。
そんな不況で暗い世の中を、明るく生きていこう!
という気持ちのいいメッセージが込められた名曲です。

基本的には歌もので、
数々の名ジャズシンガーにカバーされてきました。
もちろん、楽器だけのインストナンバーとしても
それこそ星の数ほど録音されています。

そんな「明るい表通りで」の特徴を
セッション的視点でまとめると

1 AABA形式の超スタンダードな構成。
  というか、ジャズスタンダードは基本この形が多い。
  その意味でも、スタンダード中のスタンダードな名曲です。

2 Bパートが転調しています!
  しかも2回ほど。これもジャズスタンダードでは王道のアレンジです。
  この曲を通して、慣れていきましょう。

3 リズムはミドルテンポのスウィングで
  まさにジャズのグルーヴのおいしいところの詰まった感じ。
  4ビートのフィーリングに慣れるにも、最適の曲です。

といった感じで、
難易度中級のジャズスタンダードとして
まさに完璧な特徴を持っています!

よくあるジャズの名曲のよくある構成、コード進行、グルーヴです。
テンポも、基本的にはゆったりしたミドルでプレイされるので、
この曲でジャズのなまりに慣れるのも一つの手です。

何より、全体の雰囲気や歌詞が明るく力強いので、
思わず鼻歌で歌いだして、ご機嫌になってしまう人も多いと思います!
(最近、またCMで使われていたので、さらに耳馴染みはいいかも!?)

というわけで、
明るく元気で、ジャズのスタンダードな特徴の詰まったこの曲。


是非レパートリーに入れて、
セッションを明るく盛り上げてみてくださいね。


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