落ち着きコードと盛り上がりコードができる理由!?
さて、日本列島も大分暑くなってきましたが、
全国の楽器ファンたちは元気にお過ごしでしょうか?
これから夏に向かってドンドン陽気も盛り上がっていきます。
が、梅雨を挟んでワンクッション落ち着くことも。
そう、自然の摂理とは不思議なもので、
落ち着きがあるから、盛り上がりが気持ちいい!
盛り上がりがあるから、落ち着きも気持ちいい!
と、対極にあるものがバランスよく配置されると、
人間は全て気持ちよく感じるようにできているようです。
というわけで、今回はそんな音楽の「盛り上がりと落ち着き」の
核を表現するコードについてのお話の続きです。
前回、『コードには落ち着きと盛り上がりの二つしかない!』
という結論に達しましたが、
今回はなぜその二つになるのか?という理由の話。
これがわかっていると、
初心者は落ち着きコードと盛り上がりコードの識別が
さらにわかりやすくなると思います!
さて、肝心の理由ですが、まずは結論から行きましょう!!
『ファとシの音が入っていたら盛り上がりコード!
入っていなければ落ち着きコード!』
これだけでは、初心者にはなんのこっちゃわからないと思いますので、
補足します!
まずは、しっとけ理論第4回の~メジャースケールを使う時の注意点~
を読み直してみてください。
ここで、ファとシの音は落ち着かない音!
と感じる理由をまとめています。
落ち着かない音、ということは裏を返せば、
ノッピキナラナイ状況で盛り上がりまくっている
劇のクライマックスのような状態ということ!
水戸黄門でいえば、最後の切り合いの場面のことです。(笑)
バッタバッタ悪人を切りまくって爽快に暴れまくっている時間帯。
それが過ぎると、悪党の元締めをしっかり成敗して、
町に平和が戻るという、お約束だけれども、
多くの人が感動を覚える、落ち着きの時間帯に入るわけです。
この水戸黄門の例を和音に直せば、
とりもなおさず、盛り上がりコードと落ち着きコードの関係になります!
で、この盛り上がりコードを作る時に必要になるのが、
キーがCのときの『ファとシ』の音なのです。
よく、「3コードだけで曲が作れるよ!」
などのアドバイスを経験者のおじさんから聞いたり、
雑誌で見たりしたことはないでしょうか?
実は、このコードの基本である3コードというのは、
キーCの場合、
1 ファもシも入っていないドミソのC(落ち着きコード)
2 ファが入っている盛り上がりファラドのF(盛り上がりコード)
3 シが入っている盛り上がりソシレのG(盛り上がりコード)
の3つでできているわけです。
要するに、全ての盛り上がり~落ち着きコードパターンの基本が、
この3コードで表現できるわけなのです。
ですから、もちろん3コードだけでできている名曲も沢山ありますし、
ちょっと勘のいい人なら、これだけで作曲できたりもしてしまうのです!
話がそれましたが、
このファとシのどちらか、もしくは両方が入っているかいないかが、
そのコードが落ち着きなのか盛り上がりなのかを決めます。
そして、こういう意識でコードを沢山聞いていると、
次第に、ファとかシとか意識しなくても、
はっきりと「あ、このコードは盛り上がりだ!」とか「落ち着きだ!」とか
直観的にわかるようになってきます。
だって、実質
1 ファもシも入っていない
2 ファが入っている
3 シが入っている
4 ファもシも入っている
の4パターンしか存在しないからです。
もちろん、テンションだとかなんだとか、
もう少し複雑に考えようと思えば例外は出てきます。
が、初心者はまず「ファとシの入った盛り上がりコード!」が聞きとれれば、
問題なくアドリブすることができます!
これがわかるだけで、
なんとなくコードに沿った盛り上がりと落ち着きのあるアドリブが取れるので、
難しいことを考えなくても、かっこいいアドリブになりやすいのです。
今週一週間はそんな視点で、
いろいろな音楽を眺めてみると、意外と新しい発見があって面白いかも!
人生と同じく、起伏にとんだ楽しいコードの世界を、
初心者のうちから存分に楽しんでいきましょう!!
今回のしっとけ理論はこの辺で。
次回もお楽しみに~!