自由で気楽なセッション大会がいいね!
セッション用語(?)では比較的有名な「ロスト」という言葉。
今、曲のどこをやっているのか?
今、自分はなにをやるべきなのか?
今、自分は何の音をだしているのか?
そういった現状がアドリブの途中で全く分からなくなってしまうことを、
英語の「ロスト」(迷子)という意味にかけてそう呼びます。
そして、なかなかチャレンジングなセットが多いとき、
セッションマンが一番忌み嫌う現象である「ロスト」が沢山おきます。
普通のセッションだと、
この「ロスト」が起きてしまうと、嘲笑の的になったり、
酷いときには、演奏をさせてもらえなくなったりしてしまいます。
そして、「ロスト」を引き起こした張本人は、
いたたまれなくなって、もうセッションバーの門は一生叩けなくなってしまう…。
なんていうことも、おおげさじゃなく起こります。
ところが、セッション講座のジャム仲間達は懐が深い!
もう、「ロスト」しまくって、
リズムも調性も何もかもぐちゃぐちゃになっても、
温かい拍手と「頑張れ!やれやれ!!」の応援コール。
実際、インストラクターとしては立ち直せなさそうな状況までいったら、
一度止めてしまい、仕切り直させるべきところ。
だがそこを、せっかく頑張っているプレイヤーたちの気持ちもわかったので、
見学者の皆さんに判断をゆだねてみました!
「この状況は、一度止めてやり直した方がいいと思う人手をあげて!」
シーン。誰も手をあげない。
「じゃ、このまま頑張れ!っていう人は手をあげて!」
拍手と、一斉にあがるお店いっぱいの手!!
それまで10分くらいはぐちゃぐちゃなサウンドが流れていました。
その「普通の見学者」にしたら退屈で、大変な時間を過ごしても、
まだプレイヤー達の気持を察し、その立場になって判断を下した、
参加者の皆さんに脱帽です。
そして、何とかまとまりを付けて、
最後までセッション走破無事完了!!
いやー、冷や汗ものでしたが、
やはり持つべきものはジャム仲間。
温かい雰囲気で、「ロスト」もなんのその!
考えてみれば、僕も学生時代に
冷たいセッションホストに邪険にされて、
いつか、こういう内輪なセッション文化を変えてやろう!!
と思い、今の活動を始めたことを、改めて思い出しました。
「失敗なんて誰でもするさ!
みんなで楽しくセッションしようぜ!!」
という、冷静になれば当たり前で大事な芯を、
人間、現場にでるとなかなか忘れてしまうもの。
でも、そんな大事な人間味の部分を強く感じられたセッション。
音楽の価値は、完成度以外にもあるのだ!
と再確認させてもらった、僕にとって貴重な一瞬でした。