【セッション的練習法】スケールが使えない人の根本的原因!?
今回は、アドリブを始めた
多くの人が悩み、つまづく音楽理論の一つ、
「スケール」についてセッション的角度から解説します。
まず、多くの人がスケールを覚えると
途端にアドリブがへたくそになる理由から行きます!
【覚えたスケールは全ての音を使わないといけない
という人間本来の欲が前に出過ぎるから!】
これが、ほとんどの人が
スケールを覚えた途端にアドリブがへたくそになり、
かつ音でのコミュニケーションができなくなる
一番本質的な理由です。
小さい頃、覚えたての新しい言葉を
とにかくむやみやたら使いたがった記憶はありませんか?
大人になったら、人前では言えないような
下ネタ的ワードをガンガン使いまくっていた男子は、
きっと心当たりがあるはず!(笑)
あの、「覚えた事をすぐに使いたくなる欲求」
というのは、子供だけのものではありません。
大人になっても、
皆、引き続き持ち続けている欲求なのです。
段々社会性が育ってくるので、
もちろん下ネタなどは安易に連呼はしなくなりますが、
(当たり前。笑)
でも、根源的にはこの欲求は消えていきません。
そして、精神的に自由な音楽の世界、
特にアドリブの世界では、
無意識に人はこの欲求を爆発させてしまいます!
その代表格がスケールなのです。
例えば、新しいスケールを何か覚えます。
すると、まずはそのスケールを使いたくて仕方なくなります。
さらに、実際使ってみると、
今度はスケールの音をまんべんなく全て
使わないと気が済まなくなってきます。
そして、気づいた時には
スケールをただ上下するような、
まったく歌を感じない、
手癖もいいところなフレーズばかりに陥るのです。
でも、本人はこうなってしまった根本的理由に気づかないので、
また新しいスケールを覚え始めます。
後は、同じ事の繰り返し。
手癖フレーズの山を築き上げ、
時間をかけた割には、
まったくカッコいいアドリブにならない自分を振り返って、
才能ないのかな…、なんて一人凹んだりしているのです。(爆)
また、一人で凹んでいるならまだましなのですが、
こういうプレイヤーと一緒にセッションしなければならない、
周りのプレイヤーはもっとかわいそうです。
この手の「スケール欲求不満プレイヤー」は
スケールを使う事だけに気を取られているので、
全く周りを聞いていません。
バックのメンバーをまるで生バンドのカラオケの如く、
完全に無視して演奏をするので、
コミュニケーションにならず、
せっかくのセッションが、
とてもつまらなく、味気ない時間になってしまうのです。
こうならないために一番重要なのは、
【まずは自分の鼻歌で歌える音数から、
少しずつスケールを使っていくこと!】
頭の中で明確にイメージできていないのに、
覚えたてのスケールを全部使おうとするから、
多くの人は失敗するのです。
2,3音からしっかり歌いながら
練習することが、まずは大事です。
さらに言うと、
アドリブ入門で必ず出てくるスケール
「ペンタトニックスケール」というのがあります。
このスケールは始めから
5音に音を絞ったスケールです。
だから何となく適当に弾いても
それなりに様になりやすいのです!
それこそ手癖で適当にプレイしても、
もともと音数が絞られているので、
なんだかアドリブができた感じになる。
もちろん、音楽は楽しければいいので、
この方向からアドリブに入っていってもOKです。
が、残念ながら、
手癖でマスターできるのはペンタトニックまで。
それ以上の、他のスケールになると、
この方法ではまったく歯が立ちません。
(そういう人、読者の中にも多いのでは!?)
やはり、スケールの基本は、
音数を絞って少しずつ鼻歌で歌えるくらい、
明確に頭の中でイメージできる練習を重ねるのが
ベターなのです!
という訳で、
スケールがマスターできないのは、
才能ではなく、人間が本来もっている
『スケール全使い欲求』が
根本的原因だったのです!
でも、この原因さえ分かれば、対処法は簡単。
是非「スケール欲求不満プレイヤー」にならず、
しっかり自分の歌をスケールで表現できるように
練習してみてください。
今回はこの辺で!